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フィールドノート

黄金比と三分割法、実際に何が違うのか

三分割法は0.333と0.667、黄金比は0.382と0.618。その差が写真に与える影響と、違いが見えるとき、黄金螺旋の使いどころを解説します。

Golden Spiral composition example

黄金比も三分割法も、被写体を画面の中心から外すための考え方です。違いは線の位置にあります。三分割法は画面の0.333と0.667に線を引きます。黄金比のグリッド(ファイグリッドとも呼ばれます)は0.382と0.618、つまり少し中央寄りです。その差は画面の幅や高さのおよそ5%。写真が穏やかに見えるか緊張感を帯びるかを左右し、特に水平線と小さな被写体で効いてきます。黄金螺旋はまた別の道具で、視線を一点へと導く曲線です。この記事では、それぞれの働き、違いが見えるとき、そしてまったく違いが出ないときを説明します。

数字をシンプルに

黄金比はおよそ1.618です。線分を分けるとき、全体と長い部分の比が、長い部分と短い部分の比に等しくなるようにすると、長い部分は全体の0.618、短い部分は0.382になります。

幅の0.382と0.618に縦線を、高さの同じ位置に横線を引けば、それがファイグリッドです。三分割と比べてみましょう。

  • 三分割法:線は0.333と0.667。
  • 黄金比:線は0.382と0.618。
  • その差:各線で辺の0.049。

縦に構えたスマートフォンなら、幅の0.049は画面上で数ミリです。幅4,032ピクセルの写真なら200ピクセル近くになります。小さな差ですが、見えないほどではありません。

写真の中で実際に変わること

交点が中央に寄る

黄金比の4つの交点は、三分割の4つの交点の内側にあります。黄金比の交点に置いた被写体もはっきり中心から外れていますが、反対側の空間が広く、近い側の端との間は狭くなります。印象はより控えめです。三分割は意図して一歩横へずらした感じ、黄金比のグリッドはそっと傾けた感じになります。

水平線の印象が変わる

差がいちばん分かりやすいのがここです。水平線を下の三分割線に置くと、空が画面の3分の2を占めます。上から0.618の位置に置くと、空は少し狭く、地面は少し広くなります。どちらが正解というわけではありません。三分割は空により大胆に振り切り、黄金比は水平線を真ん中に通すことを避けつつ、地面をより多く画面に残します。

小さな被写体では見え、大きな被写体では隠れる

小さな被写体は点のようなものなので、5%動かせば目に見えます。大きな被写体は両方のグリッドの線を同時に覆ってしまうので、差はその中に消えてしまいます。被写体が画面の3分の1以上を占めるなら、どちらのグリッドでも構いません。気にせず次へ進みましょう。

黄金螺旋は別の考え方

黄金螺旋は黄金長方形から始まります。そこから正方形を切り取ると、残りはまた黄金長方形です。切り取りを続けると、正方形が内側へと渦を巻いていきます。正方形をたどって描いた曲線は、4分の1回転ごとに黄金比で締まっていき、一点へと収束します。

グリッドは被写体をどこに置くかを教えてくれます。螺旋は、写真の残りの部分がどうやってそこへ導くべきかを教えてくれます。階段、貝殻、波、人物に向かって弧を描く岩の列など、シーンにすでに曲線や大きな流れがあるときに使いましょう。螺旋の締まった端を被写体に合わせ、広い端を流れに沿わせます。

正直に言っておくべき限界

黄金長方形の比はおよそ1.618対1です。iPhoneの写真は4:3(1.333対1)で、ほかによく使われる比率は3:2と16:9。どれも黄金比ではないので、スマートフォンの画面に描いた螺旋は引き伸ばされるか、余白が残ります。それでも考え方は通用します。螺旋は視線がたどる方向の目安として扱い、写真をピクセル単位で螺旋に合わせようとしないでください。

どちらをいつ使うか

  • 三分割法を使うのは、日常のシーンやさっと撮るとき、背景がごちゃごちゃしていて主役がひとつはっきりしている写真。ずらし方が強いぶん、ひと目で伝わります。
  • 黄金比のグリッドを使うのは、静かなシーン。穏やかな風景、広い空間の中の小さな人物、画面の片側が空っぽに感じられないよう被写体を少しだけ外したいポートレートなどです。
  • 黄金螺旋を使うのは、シーンの中の曲線がすでに被写体へ向かっていて、その曲線を意図をもって配置したいとき。
  • どちらも使わないのは、シーンが対称なとき、消失点が真ん中にあるとき、被写体が画面いっぱいに広がっているときです。

対角線を軸にしたシーンなら、対角線法という選択肢もあります。四隅から45°の線を引き、そのどれかの上に被写体を置く方法です。

違いを体で覚える練習

  1. 水平線がはっきりしたシーンを選ぶ。海辺、野原、湖など。
  2. 3通りに撮る。水平線を下の三分割線に、上から0.618の位置に、そして真ん中に。
  3. 3枚を並べて見比べる。真ん中の1枚は画面が二つに割れて見えるはずです。残りの2枚は、空をどれだけ優先するかで印象が変わります。
  4. 小さな被写体でも繰り返す。小道を歩く人、水に浮かぶボートなど。三分割の交点に置き、次に黄金比の交点に置きます。

何度か繰り返すうちに、感覚で使い分けられるようになります。それこそが狙いです。

グリッドをライブで描く

スマートフォンのカメラの多くは、三分割のグリッドしか用意していません。Camera Gridは黄金比のグリッドと黄金螺旋を、被写体に合わせたライブのターゲットとして描き、動きに合わせてフレーミングをスコア化し、決まった瞬間にスコアの輪を緑に変えます。どちらもProの機能です。三分割法は無料です。

チェックリスト

  • 三分割は0.333と0.667、黄金比は0.382と0.618。
  • 差は画面の約5%。水平線と小さな被写体で最もよく見える。
  • はっきりずらしたいなら三分割、控えめにずらしたいなら黄金比。
  • 螺旋は、シーンの曲線がすでに被写体へ向かっているときだけ使う。
  • 黄金螺旋が4:3の画面にぴったり収まるとは期待しない。
  • シーンが対称なとき、被写体が画面いっぱいのときは、どちらも使わない。
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