リーディングラインとは、シーンの中で視線を被写体へと運ぶ線のことです。小道、フェンス、縁石、海岸線、テーブルの縁。見つけるコツは、被写体を見る前に足元や周りを見ることです。線はたいていすでにそこにあり、やるべきことは、線が大事なものを指すように立ち位置を選ぶことです。低く構えて線を長く見せ、線が集まる点を被写体の上か近くに置き、線が画面の隅から抜けていかないようにしましょう。このガイドでは、線を探す場所と、線がとる3つの主な形(被写体へ集まる複数の線、ひとつの消失点、S字の曲線)を紹介します。
線を探す場所
線はほとんどどこにでもあります。ただ、見過ごしやすいだけです。チェックしたい場所をいくつか挙げます。
- 地面。舗装の目地、路面標示、路面電車のレール、芝生の端、板張りの遊歩道。
- 縁や境目。縁石、壁、手すり、海岸線、桟橋の端。
- 繰り返すもの。街灯の列、並んだ自転車、回廊のアーチ。繰り返されるものは線として読まれます。
- 光。手すりの影、床に差し込む帯状の日差し、テーブルに落ちる窓の光。
- 室内。棚、ベンチの縁、タイル張りの床の線、廊下の天井。
いったん線を探し始めると、使いきれないほど見つかります。問題は、どの線が意味のある方向を指しているかです。
線がとる3つの形
被写体へ集まる線
これが定番です。小道、手すり、生け垣がどれも、少し先に立つ人物へと向かっている。線が一点で交わる必要はありません。向かう方向がそろっていればよく、その行き先に被写体があればいいのです。
線が狭まっていく場所に被写体を置きましょう。線が被写体の横で交わると、視線はまず何もない空間に着地し、そこから横へ跳ばなければなりません。リーディングラインガイドはまさにこのためのものです。複数の線が小さな被写体へ視線を運び、消失点はひとつに定まらない形です。
中央にひとつの消失点
廊下、駅のホーム、まっすぐな道路、並木道。ここではすべての線が遠くの一点で交わります。いちばん力強い写真になるのは、たいていその点を画面の中央に置き、正面から向き合って立ち、左右が鏡のように対応するときです。
道の真ん中に立ちましょう。スマートフォンは水平に、まっすぐ立てて構えます。縦の線が傾くと、廊下が倒れかかっているように見えます。このためのガイドが一点透視構図です。
画面をうねって進む曲線
川、山道、畑を抜ける小道。曲線は直線よりもゆっくり見られます。視線は終点へ一直線に飛ぶのではなく、曲線に沿って左右に行き来します。探したい形はS字です。曲線が画面の下から入り、一方へ振れ、次に反対へ振れて、遠くへ消えていく形です。
曲線は下の隅の近くから入れましょう。そうすれば画面の高さいっぱいを使ってうねらせられます。ここでは高さが味方します。橋や丘、道路を見下ろす窓からなら、曲線がより多く見えます。S字構図ガイドがこの形を描きます。
線をもっと強くする方法
- 低く構える。しゃがんでスマートフォンを地面に近づけます。レンズに近い線は引き伸ばされ、存在感が増します。膝の高さから見た小道は、ずっと遠くまで続いているように見えます。
- 広角レンズを使う。0.5×では、カメラに近い線が大きく広がり、ぐっと中央へ引き込まれます。同じく引き伸ばされる画面の端には注意しましょう。
- 線を隅や下端から始める。画面の端から始まる線は、視線を外から中へ引き込みます。
- 線を内側へ向ける。隅から抜けていく線は、視線も一緒に連れ出してしまいます。線が写真の内側を指すように構図を取り直しましょう。
- 被写体を待つ。先に線を見つけ、線が交わる場所に人や車がやってくるのを待ちます。
リーディングラインを台無しにする失敗
- 行き場のない線。強い線が何もない点へ向かっていると、写真が未完成に感じられます。線の先に被写体か、はっきりした終点を用意しましょう。
- 方向が多すぎる。いくつもの方向に交差する線は、互いを打ち消し合います。大半の線の向きがそろう場所を選びましょう。
- カメラの傾き。集まる線は傾きを誇張します。わずかに曲がった廊下が、ひどく曲がって見えます。
- 大きな被写体が線を隠す。線が交わる場所を被写体がふさぐと、線は意味を失います。一歩下がるかズームアウトして、被写体が線の終点に収まるようにしましょう。
画面上で線を見る
線はシーンの中では見つけやすいのに、スマートフォンを構えた途端に見失いがちです。Camera Gridはビューファインダーの中の線を端末上で読み取り、はっきりした消失点が見つかれば一点透視構図を、線が被写体へ集まっているときや画面をうねっているときはリーディングラインやS字構図(Camera Grid Pro)を提案します。あえて慎重に作られていて、線が強いときにだけこれらのガイドを提案し、消失点のほうへパンする、スマートフォンをまっすぐ立てるといった指示を一度にひとつずつ出します。
チェックリスト
- 被写体を見る前に、地面と縁を見る。
- 線が大事なものを指すように立ち位置を選ぶ。
- 線が狭まっていく場所に被写体を置く。
- 消失点がひとつなら、真ん中に立ってスマートフォンをまっすぐ立てる。
- 曲線なら、下の隅の近くから入れて奥までうねらせる。
- 低く構え、線を隅から抜けさせない。